オフィスの華(令和版)~若社長と秘書のHONEYなヒミツの関係~
「今日も祐早斗様は常務たちとランチですか?」

「今日はイタリアンだと言っていた…」

「へぇー…」
私達はこの間と同じ幕の内弁当を口に運ぶ。

「そうだ・・・君の携番…社長に教えておいたから…」

私は口に運んだご飯を吐き出しそうになった。誰が私の携番を教えたのかと思えば、犯人は栗原さんだった。

「…勝手にそんなコトしないでくださいよ…」

「俺も金が欲しくて…」

「私の携番、お金の為に売ったんですか?」

「まぁな」


「その顔だとまだ・・・社長から連絡ないようだな…」
栗原さんは私の顔色を見て呟く。

「…君の方から連絡しないからダメなんだよ…まさか、本気で濱部社長とデキてるの?」

「いえ…彼は違います…」

「彼はダメだよ…」

「分かってます…濱部社長が見てるのはお母さんだし…」

「…君はそう思ってんだ…なかなか面白いね…」

「全然、面白くないです…」

相馬会長も母に惚れてるようだし。
でも、母の心の中には今でも…事故で亡くなった染中社長が棲みついていた。

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