【完結】イケメンモデルの幼なじみと、秘密の同居生活、はじめました。
 ぽかんとしてしまった。
 なにを言われたのかわからなかったのだ。
 その場は、しんと静まり返っていた。
 誰にとっても衝撃だったに違いない。
 だって、あの北斗が、告白をしているのだ。
 特定の女子に。
 いや、美波に。
 あの言葉。
 あの言葉だけは、学校中のみんなにではなく、美波だけに向いていた。
 それがやっと胸の中に届いて、美波の胸が、かぁっと熱くなった。なにか爆発したようだった。
 顔が一気に熱くなる。

 付き合ってください。

 その告白の言葉ばかりが、ぐるぐる頭を回る。
 周りでは動揺の声が溢れていたけれど、美波はそれをはっきり知ることはできなかった。
 代わりに、北斗の声が届いた。

『絶対OKもらう自信あるので。そういうわけだから、これから美波に手を出すなよ』

 それが最後だった。
 そこで違う声が入ってきたのだから。

「くそ! 鍵なんてかけて……、おい! 今角! お前、放送室を勝手に……!」

 誰か、先生の声だっただろう。
 そのあと、バタバタ、となにかうるさい音が響いた。

『うわ! す、すみません! でも俺の言いたいことは全部言いました。聞いてくれてありが……』

『今角! 職員室に来い! すぐにだ!』

 ザーッ!

 大きなノイズの音が入り、直後。

 ブツンッ!

 放送が乱暴に切れる音がした。
 唐突に終わった、北斗の放送。
 その場は、しーんとしてしまう。
 誰もなにも言わなかった。
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