元勇者、ワケあり魔王に懐かれまして。
「え? どういうこと?」

「そのままあちらで生きるつもりかと」

「戻ってくるって言ったと思うんだけど……」

「仲間に会えば気が変わるものかと思っていた」

「……普通はそうかもしれないわね。でも、会ったからこそ、ここへ戻ってきたいと思ったの」

「わからない」

「シュクル、話があるの」

 改めてシュクルと向き直り、背筋を伸ばす。

 つられたようにシュクルもティアリーゼの隣で姿勢を正した。

「私が今まで信じてきたものは、本当に嘘だったみたい。それは……ある程度予想していたからいいけれど、あの人たち、あなたが私を食べるのだと思っていたようね」

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