元勇者、ワケあり魔王に懐かれまして。
「お前は人間の目から見ても美味そうに見えるのか」

 感心したように言うのはともかく、非常に聞き捨てならない内容だ。

「その質問、どういう意味」

 ぎょっとしながら聞くと、シュクルは小首を傾げた。

「柔らかいものな」

「あなた、私をそういう目で見ていたの?」

「なにが?」

「た、食べたいとか……そういう……」

「なんのために? 私には食事を用意する者たちがついている」

「……その人たちが私を晩御飯ですって差し出したらどうする?」

「悲しい」

「……う、うん」

(そうじゃないんだけど……)

 遠回しに聞いたところで、シュクルはうまく答えられないだろうと判断する。

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