元勇者、ワケあり魔王に懐かれまして。
「うん、そうね。そうなると思うわ」

 答えてから、これまでの流れをまとめる。

「私たちの結婚を大々的に広めるなら、結婚式にふたつの種族を招くのが一番いいと思う」

「そうだな」

「……ごめんなさい。こんな話ばっかりして」

「構わない。お前のそんな強さも好きだ」

 嘘偽りのないまっすぐな言葉がティアリーゼの胸を突く。

 シュクルがティアリーゼを好きだと言うたびに、ティアリーゼもシュクルのことを好きになる気がした。

(一緒にいられるだけでいいって思った。でも、結局私は役目を求めてしまう……)

「最後にもう一度聞かせて。……本当に私でいい?」

「お前がいい。ほかの人間はいらない」
< 282 / 484 >

この作品をシェア

pagetop