元勇者、ワケあり魔王に懐かれまして。

 即答され、言葉を失う。

 しかし、すぐにティアリーゼは笑った。

「私もあなた以外と結婚するのは嫌だわ」

 いつもはシュクルからしてくるキスを、今日はティアリーゼからする。

 次に言葉を失ったのはシュクルだった。

 目をぱちくりさせたところは驚くほど表情豊かで、つい見とれてしまう。

「あなたってそんな顔もするのね」

「なんのことかわからない」

 はむ、と唇を甘噛みされ、鼓動が速くなっていく。

 ふたりはどちらからともなく指を絡め、触れるだけのキスを繰り返した。

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