元勇者、ワケあり魔王に懐かれまして。
 ほかにも、遠方へ行く際に協力してくれる鳥たちも大騒ぎした。魔王の記念すべき蜜月旅行の運搬係とは、これほどの名誉もない。絶対に自分が担当するのだとくちばしを鳴らしていたのだが、当のシュクル本人が断った。

「急ぐこともない。好きなだけ遊んでこいと言われたからな」

「確かにお気の済むまで構わないとお伝えしましたが……」

 トトが言いづらそうに返答する。好きなだけと言ったのは確かだろうが、シュクルが思っているような「いつまでも」という意味ではないに違いない。

「本当に大丈夫なの? シュクルがいなくなると、政務が滞るんじゃ……?」

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