クールなきみと、甘くない秘密。




……いま、なにが起こっているの?


突然のことに、わたしは固まって動けなくなった。


目の前には伏し目がちのきれいなクラスメイトの顔。

唇には、やわらかい感触。



うそ、でしょ……?


驚きでなにも考えられない。

頭が真っ白になっている。



ゆっくり、離れていくぬくもりと同時に、顔がちゃんと見えた。




「ほら、こんくらい別に大したことない」



そう言った彼は、クールな表情を崩さない。

だけど、その裏には、わたしが感じたこともない、切ない気持ちを隠していたんだ――。




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