クールなきみと、甘くない秘密。
こんなに気になることってないんだ。
「だから、まだまだ付き合ってよ」
「……はぁ」
「だれにも言わずに秘密にするってしんどいでしょ?だから、わたしに吐き出していいからね」
「べつに、しんどくない」
夏目くんならたしかにそんな気もする……。
でも、本当はしんどいはずだよ。
つらいはずだよ。
だって、あんなにも先生のことを想っているんだから。
「じゃあ、聞いてほしくなったらいつでも言ってね」
「無理やり質問して、聞きだしてるのはだれだよ」
「なにか言った?」
「なにも」
いまのはボソッとじゃなく、はっきり言ってたよ。
聞こえてたよ。
まぁいいけどね。
心配しようとしたけど、本当に夏目くんの言う通りだったから。
「あ、先生見えたよ」
ふと窓から外を見ると、保健室の窓を閉めるために長岡先生が見える位置に来た。