クールなきみと、甘くない秘密。
夏目くんに知らせるように言いながら横を見ると、夏目くんのきれいな横顔が視界に映った。
きっと、わたしよりも早く気づいていた。
すごく遠くてほんの数秒しか見れないのに、絶対に見れるなんてわからないのに、毎日ここに来て長岡先生を見ているんだと思うと、なぜか胸がぎゅっとなった。
なんだろう?
少しくるしくなったけど、すぐに治る。
だから深くは考えず、わたしも保健室を見た。
もう、窓とカーテンは閉められて、長岡先生の姿は見えなかった。
それでもまだそちらに視線を向けている夏目くん。
本当に、先生のことが好きなんだなぁ……。
まっすぐに同じところを見つめる夏目くんの横顔から、わたしは目が離せなかった。