君じゃなきゃ。


「落ち着いてられない!」

そう言うと更に強くあたしの腕を引っ張る。


「健人!痛いよ?!」


騒がしくなるあたし達を遠巻きに見ていた店員がこっそり先輩に近寄る。


「お客様、失礼ですがお知り合いの方でしょうか?」


「すみません。騒がしくしてしまって……知り合いなので大丈夫です。彼にもグラスを……」


先輩の品が溢れる微笑みに店員も安心したのか、グラスを置くと一礼して去って行った。


「ほら、杉浦くんも座って?」

「……」


健人は先輩に促されて空いていた席に渋々腰をかけた。



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