君じゃなきゃ。


「まぁ、ワインでも飲んで」

先輩は何も気にすることなく、健人にワインを勧める。

先輩が勧めたワインを健人はチラッとだけ見てすぐに目を逸らした。


「いりません」

健人がキッパリ断る態度を見て、先輩は困ったように笑った。


「そんなに僕を目の敵にしなくても。一応……まだ君は相川さんの彼氏でしょ?」

「一応まだって言葉はいりません!正真正銘彼氏ですから!」

「じゃぁもうちょっと余裕持てばいいじゃない」

「……よ……余裕なんて持てませんよっ!!仕事に対してはともかく……さくらに対してはいっつもいっぱいいっぱいなんですから!」

「え……?」



うそ……

いっぱい……いっぱいだったんだ……健人。

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