羽柴弁護士の愛はいろいろと重すぎるので返品したい。【番外編 2021.5.9 UP】


 私が怒っているというのに、なぜか突然、先輩は私の頬を右手で触る。
 その手の熱にあの夜のことを思い出して、ビクンと身体が跳ねると、先輩は満足そうに笑った。

 私は黙り込む。
 やめて、もう思い出させないで。なんだか、落ち着かないしおかしくなりそうでいやだった。泣きそうになると、先輩は私の頬から手を離して、
「ほら、ご飯粒ついてた」
と私にご飯粒を見せると、それをパクリと自分の口に入れた。


「~~~~~~~~‼」

 キッチンから、僕もそういう時期あったなぁ、と父の懐かしむような声が聞こえる。

(お父さんにもしっかり見えてるし!)

 なに、これ。これ、何の罰ゲーム?
 私が言葉に詰まっていると、先輩はまた楽しそうに笑った。

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