羽柴弁護士の愛はいろいろと重すぎるので返品したい。【番外編 2021.5.9 UP】

 そんなことを考えながら会社のビルを出ると、みゆ、と私を呼ぶ声が聞こえて、
どきりとして声の先を見ると、先輩が立っていた。

 金曜にまた来そうな予感がしてたけど、その予感は外れたらしい。
 嬉しいほうの誤算だ、と思ってから、私は嬉しく思っているのか、と自分の感情にやけに驚いた。


 先輩は驚く私を見て笑うと、
「仕事ちょっと早く切り上げられたからさ。一緒に行くのは断られても、一緒に帰るなら帰ってくれるかと思って」
と意地悪く言う。

 そのせいでまた朝のキスを思い出した。
 先ほども思い出しているのに何度思い出すのだろうか。先輩のこと言えないくらい、私は変になってきているのかもしれない。

< 132 / 302 >

この作品をシェア

pagetop