羽柴弁護士の愛はいろいろと重すぎるので返品したい。【番外編 2021.5.9 UP】


 私は意を決して、先輩の背広の背中を掴んで、先輩を見上げる。

「お願い……。いっかいだけ、にして?」
「みゆからそんな言葉聞けるの、くるな……」

 くるって、何? と泣きそうになると先輩はクスリと笑う。
 そしてまたキスをすると私を抱き上げた。

「なら、濃い一回にしないとね」
「濃くしなくていいですってば!」
「うん、分かってる」
「その顔、絶対わかってない!」

 私が腕の中で暴れても、先輩は楽しそうに笑う。
 でもその顔をみて、私はもう一度キスをしたくなって、先輩の首に自分の腕を回した。すると、先輩は嬉しそうに笑って、うん、みゆの言いたいことはわかってるよ、と私の唇に甘い甘いキスを落としてくれた。


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