羽柴弁護士の愛はいろいろと重すぎるので返品したい。【番外編 2021.5.9 UP】

 結局ゆっくり二人で過ごして、いつの間にか夕方になっていた。

 日曜の夕方。明日も仕事だし帰らなきゃいけない。時間の経過って速いんだなぁって思って、それはきっと先輩といるからだろう、と素直に心の中で認めていた。

 すると先輩も同じように考えていたのか、

「時間すぎるの速いね。でも、帰さなきゃだよね」

とつぶやいた。
 私はそれを聞いて自分の手を握る。

「みゆ?」
「まだ一緒にいられたらいいのに」
「そんなの……」

 先輩が何か言いかけて、やめた。
 なんとなく、『結婚すればいいだけの話』と言いたかったんじゃないかと思って、それを言えなくさせたのは自分だと、心が痛んだ。

 私は、先輩に甘えてるのかな。
 いつだって、私のペースも、私の気持ちも、大事にしてくれる先輩に……。

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