羽柴弁護士の愛はいろいろと重すぎるので返品したい。【番外編 2021.5.9 UP】

 リビングに行くと、お義父さんから一冊の冊子を渡される。
 本、だろうか、と思ったところで、それがパンフレットだと言うことに気づいた。

「あかり、この前テレビ見て、船が好きって言ってたから」
とお義父さんは笑う。

(船って……まさかクルーザーとかじゃないだろうな……!)

 お金持ちはやたらクルーザーを持っていて、そのお金持ち勢の多くが免許を所有していることを私は最近知ったところだ。もちろん、一樹さんや健人さんも例外ではない。


 しかし、そのパンフレットに載っている船は、明らかにクルーザーではなく……

「豪華、客船……?」

 私はつぶやく。すると、お義父さんはにこりと笑い、

「あぁ、そうだよ。大型豪華客船で、うちが今度経営しようかと思ってるけど、所有権はあかりに。だから、あかりって名前にしたんだよ」
 お義父さんは、そう言って笑った。

 確かに、客船の外にAkariと綴られている。テレビでしかお目にかかったことのないような、プールやレストラン、カジノやパーティー会場までついているような超大型豪華客船だった。


「初就航にはあかりも一緒に乗ろうね。あかりの船なんだから」
「お船大好き!」

 嬉しくて飛びついたあかりを抱きしめ、目を細めて、嬉しそうにお義父さんは微笑む。

「……大型豪華客船」

 私はつぶやいた。

 クルーザーでもたぶん驚いた。でもちょっとそこまでは予想できてた。
 でもこれは……思ってたのと規模が違う。

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