羽柴弁護士の愛はいろいろと重すぎるので返品したい。【番外編 2021.5.9 UP】

「……えぇっと」
「あかり産んでから、次はもう少しあけたいって、なかなか前向きになってくれないじゃん」
「それは……」

 今、それを突かれると痛い。
 私はあかりを出産してから、次の子が欲しいと言う健人さんにずっと待ったをかけているのだ。それには私なりに、いろいろと理由がある。


「いまどき一人でも普通じゃないですか? 私、もともと一人っ子だし……」
「また『普通』って言ってる」
「子育てが大変って言うのもあります。思ってた以上でした」

 人一人育てるのは想像以上に大変だ。それは、子どもを産むまでわかっているようでわかっていなかった。
 一つの命が家庭に増えるのは、喜ばしい反面、責任も負担ものしかかる。


 健人さんは、
「でも、俺はそれを二人で経験できて良かったと思った。みゆの方の負担が大きかったと思うから無理は言えないけど」
と言う。

 私はそれを聞いて首を横に振った。
 もちろん私も大変だった。でも……。

「そういうことじゃないの」
「え?」
 私は健人さんを見つめると、
「健人さん、無理してたでしょ。ずっと」
とはっきり言う。

「……どういう意味?」

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