羽柴弁護士の愛はいろいろと重すぎるので返品したい。【番外編 2021.5.9 UP】
「おいしい!」
ラーメンを一口食べて、開口一番出た言葉がこれだった。
もうこれしか出ない。それくらい美味しい。
夜の屋台のラーメンって、興味はあったが食べたことなかった。でも、こんなにおいしいなんて今まで来なくて損してたかも……。
私は目を輝かせて、次から次へと食べ進めていた。
先輩は楽しそうに私を見ると、
「うん、ここのラーメンうまいんだよね。時々無性に食べたくなるの」
と言う。
すると、そこの大将が、
「今日彼女連れなんだ?」
と先輩に言う。私は思わず
「彼女じゃないです」
とキツめに返してしまった。
なのに先輩は、
「そうなればいいんですけどね。なかなか素直に振り向いてもらえなくて」
と勝手に答える。
む、と先輩を睨むと、先輩は熱っぽい目で私を見る。私は驚いて、パッと目をそらすと、先輩は私の頬に触れた。その指先の熱に、私の身体はビクン、と跳ねる。
「みゆ、ここにスープ、ついてるよ?」
「……」
先輩はそれを指で取って、ぺろりと舐めた。なんてナチュラルに! あれからもきっと、モテ続けてきた人生なんでしょうね! 女性もきっと選び放題だったんでしょうね……! 私はまったく誰ともご縁がありませんでしたが!
思わずむぅっと膨れて、また食べ進める。
大将が、仲いいねぇ、と笑った。仲良くないです、と私が言うと、先輩はそれを聞いて困ったように笑っていた。