羽柴弁護士の愛はいろいろと重すぎるので返品したい。【番外編 2021.5.9 UP】
「……はい?」
「まぁ、つまり不能」
「ふ、ふのう……」
私は繰り返す。すると先輩は楽しそうに頷いた。
不能ってあれですよね。あれがアレできないあれですよね……。
あれって言いすぎて私もよくわかっていないけど……。
完全に戸惑う私に、先輩は続ける。
「で、うちはね……。まぁ、ちょっと色々あって、俺には子どもが必要でさ。あ、もちろん今すぐじゃないよ? 将来的に、って話」
「……子ども」
自然にごくりと唾をのむ。
「なのに俺はまったく女性に反応しなくなった。心理カウンセリングとか病院とか、怪しげなおまじないとか、催眠とかね。とにかくこの12年間、ありとあらゆるものを試したわけ。でもだめだった」
「そ、そうなのですか……」
私が言うと、場がしーんと静まる。
やっぱそれって私の『飛び蹴り』が原因ってことだよね……。
女の子、しかも後輩に飛び蹴りされて入院したことが、先輩の心の傷として残り、だから、あれがアレできないのだろうか……? ってそもそも、私にもそのあたりはよくわからないけど……。