羽柴弁護士の愛はいろいろと重すぎるので返品したい。【番外編 2021.5.9 UP】
次の金曜。会社を出る時、私はなぜかドキドキした。
羽柴先輩がいそうな、そんな予感がしたから。
エレベータで1階まで降りると、エントランスを出たところに、やっぱり先輩はいた。
「みゆ」
「……なんでいるんですか」
低い声で聞いてみたけど、最後はちょっと笑ってしまった。
するとそれを見た先輩は楽しそうに笑う。
「ふふ。そうだ、ちょうど今日日本酒をいただいたんだけど、いらない?」
「え……」
先輩は手に持っている紙袋を見せる。
「獺祭の磨きその先へ、って言うらしいんだ」
「……へ」
「変な名前だよね」
私は固まる。それ、私が飲んでみたかったやつ!
基本贈答品で、ちょっと高いから普通には買えない日本酒だ。
そんなものいただくなんて、先輩さすがだ。