まだ、青く。
「おはようございます、鈴ちゃん」

「あ、潤ちゃん。おはようございます。
...って、髪どうしたんですか?」


一昨日部活で会った時は腰までのサラサラストレートの黒髪だったのに、潤ちゃんの髪の毛はいつの間にかボブスタイルになっていた。

驚きのあまり口をぱかーんと開けてしまった私を見て潤ちゃんはクスクスと笑った。


「そんなに驚かなくても。ずっと長くて邪魔だったので切ったまでです。それより鈴ちゃんも今日は髪型いつもと違いますね」

「いや、私のはなんというか、そのぉ...気紛れで」

「ポニーテール、とっても似合ってます。早く見せなきゃですね」

「えっ?」


潤ちゃんはくすっと笑うと自分の席に戻ってしまった。

見せなきゃって誰に?

別にそういうつもりで結んだわけじゃないのに...。

ただ、なんとなく、

やってみたかったから、

なんだけどな。

私はガラス窓の向こうの空を見つめた。

二羽の鳥が仲良く並行して青空を泳いでいる。

太陽は相変わらず眩しく、まだまだ夏は続いている気がするけれど、一応夏休みは終わり、秋に向かって時は流れを止めない。

そして、いよいよ始まる。

1年で1番大きなイベントである

文化祭の準備が...。

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