まだ、青く。
――ひゅ~、ドンッ!
最後の大きな花火が打ち上がり、ゆっくりと夜空に溶けていった。
私が余韻に浸り、茫然と立ち尽くしていると、凪くんはトントンと肩を叩いた。
振り向いても何の光も受けていないその顔は薄暗くて良く見えなかった。
「俺...夏目に言ってなかったことがある」
「えっ?と、突然何ですか?」
びっくりして声が裏返った。
そんな私を凪くんはやっぱり笑う。
薄暗くても分かる。
この笑顔は何よりも眩しくて、私の心を照らしてくれているって。
それだけは...分かる。
「俺の苗字。あれ、本名は違う漢字なんだ。ワタナベさんのナベにも色んなナベがあるじゃん。それとおんなじような感じで...本当はさ...」
凪くんは夜空のキャンバスに向かって指を動かした。
私には凪くんの指が真っ白のチョークに見えてはっきりと分かった。
志島、ではなくて、
"四十万"。
「四十万(よんじゅうまん)って書いてシジマって読むんだ。小学校の頃散々からかわれたから、ずっと使って来なかったんだ」
「そうだったんですね...」
まさか凪くんにもそんな過去があったなんて...。
それにしても、なんで今このタイミングでそんな話を?
私の疑問が即座に伝わったのか、凪くんは口を開いた。
最後の大きな花火が打ち上がり、ゆっくりと夜空に溶けていった。
私が余韻に浸り、茫然と立ち尽くしていると、凪くんはトントンと肩を叩いた。
振り向いても何の光も受けていないその顔は薄暗くて良く見えなかった。
「俺...夏目に言ってなかったことがある」
「えっ?と、突然何ですか?」
びっくりして声が裏返った。
そんな私を凪くんはやっぱり笑う。
薄暗くても分かる。
この笑顔は何よりも眩しくて、私の心を照らしてくれているって。
それだけは...分かる。
「俺の苗字。あれ、本名は違う漢字なんだ。ワタナベさんのナベにも色んなナベがあるじゃん。それとおんなじような感じで...本当はさ...」
凪くんは夜空のキャンバスに向かって指を動かした。
私には凪くんの指が真っ白のチョークに見えてはっきりと分かった。
志島、ではなくて、
"四十万"。
「四十万(よんじゅうまん)って書いてシジマって読むんだ。小学校の頃散々からかわれたから、ずっと使って来なかったんだ」
「そうだったんですね...」
まさか凪くんにもそんな過去があったなんて...。
それにしても、なんで今このタイミングでそんな話を?
私の疑問が即座に伝わったのか、凪くんは口を開いた。