まだ、青く。
2人が言い争っているのを横目に私は部室を出た。

ここ数日で急激に寒くなり、廊下はひんやりとしている。

3階廊下の窓から覗くグランドは、木枯らしに吹かれ砂ぼこりが舞っていた。

その声が聞こえるかと思い、窓をほんの少し開けてみたけれど、何も聞こえない。

私の世界から声が消えた。

雑音だとか騒音だとか思ったこともあったけれど、

生き物の声が消えてしまった世界は

私の知らない世界で、生きている心地がしなかった。

そんな中でも呼吸を繰り返し、

地に足つけて

道を歩いている。

その道が正しいのか、

どの道を今後歩いていきたいのか、

そんな自分の気持ちもまた分からない。


――ガコンっ!


サイダーを1本、期間限定の柚レモンを3本、緑茶を1本買い、私は両手に抱えて歩き出した。

皆の分を買うというのは、潤ちゃん曰く"お人好し"の部類に入るらしく、いつもそう言われている。

でも、買わなきゃなって思うのだから、それも無意識の自分の意思なのかもしれない。

それをいちいち感じたいと思う私がおかしいのかもしれない。

皆もきっと自分の全てなんて分からないんだから、

私も分からなくていい...はず...。

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