まだ、青く。
――バサッ...。


何かが落ちる音がして咄嗟に振り返ると、そこには......


「て、ん...!」


見知らぬ女性が私を見て口元を押さえ、立ち尽くしていた。

ただならぬ気配を感じたのか、凪くんは私の手を離して女性の元へ駆け寄った。

私は足元に転がってきた真っ赤なりんごを拾い上げ、凪くんの背後に隠れるように立った。


「驚かせてしまい、すみません。出海高校2年の四十万と申します。僕は後ろにいる夏目鈴さんと同じ部活の友人です」

「夏目...鈴...」


女性の視線は弾丸のように真っ直ぐ私の瞳にぶつかってきた。

私は震える左手を右手でがっと掴み、なんとか抑えようとしたけど、効果はなかった。

吐き気を伴う緊張で口を開けないでいると、女性が口を切った。


「ここだと近所迷惑だから、中へどうぞ...」

「ありがとうございます。お言葉に甘えて失礼します」


私は凪くんに続いてお辞儀をし、ドアの向こうの世界へと足を踏み入れた。

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