まだ、青く。
私はキッチンで夕飯の準備をしてくれている花柄のエプロン姿の母に声をかけた。


「8時までには帰ってくるのよ」

「はぁい」


門限は8時。

父が帰ってくる10分前のギリギリの時間。

それまでにやらなければならないことが一杯あるからこの時間になっている。

私は急いで玄関を飛び出し、図書館へと向かった。
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