ややぽちゃ姫と3人の王子様


 力強く跳ねる、むち君の心拍。

 頬で感じてしまうこの状態に、私の心臓が耐えられない。


「むち君、ごっ…ごめんね」


 慌てて、むち君の腕の中から抜け出したけれど


「こ……これは、じ…じ…事故だからな!」


 普段はドS魔王様。

 そんなむち君の予想外の慌てぶりにギャップ萌え。

 私の心拍が狂いうなってしまう。



 むち君。

 妹代わりの私を抱きしめたくらいで、顔を赤らめないでよ。

 動揺しないでよ。

 むち君の顔の赤みが伝染しちゃう。

 私の頬まで熱を帯びてきちゃったんだから。



「ほっほら、走りに行くぞ!」


 真っ赤な顔を私に見せないようにかな?

 私に背を向け走り出したむち君。


「辛くなったら、ムッチーなんか無視して帰っておいでね」


 おっとり微笑む雨ちゃんに頭をポンポンされ、黒いジャージ姿のむち君の背中を追いかけるように私も地面を蹴る。


 けれど、たったの30秒だけだった。

 軽快に走れたのは。


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