狙われてますっ!
「いや~、すみません。
 加倉井さんと居るとき、あちこちで私を知ってる犯罪者に遭遇しちゃって仕方なく……」

 誤魔化すように笑いながら、汐音はそう言った。

 武志たちが聞いていたら、
「誰が犯罪者~っ!?」
と叫ばれそうだったが。

 渡真利はひとつ溜息をついたあとで、
「……お前をあの会社に潜入させたのは失敗だったな」
と言い出した。

「いや~、でも、そんなの他の女性警察官でも同じだと思いますよ。
 特に交通課だと。

 意外にみんな地元以外で、取り締まられてるみたいなんで」

 あのウエイターが言っていたように、知らない土地でうっかりで捕まる場合が多いからだろう。

「あの~、そもそも、なんで私が選ばれたんですかね?」

 そう汐音は訊いてみた。

 常々疑問に思っていたのだ。

 たくさん居る女性警察官の中から、何故、自分なんぞに潜入捜査なんていう大役が回ってきたのか。
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