狙われてますっ!
 あ、えーと、と汐音が困ったとき、スマホにメッセージが着信した。

 ピコンピコンと続けて鳴る。
 求からと渡真利から、同時に入ってきていた。

 どっちも、
「お疲れ様」
ではじまっていて。

 そこから先は改行されていてわからない。

 どっちから開けたら……。

 緊急性から言ったら、渡真利さんかな?
 仕事の話かもしれないし。

 そ、そうだ。
 渡真利さんからにしようっ。

 加倉井さんからのは緊張するしっ、と渡真利に、

「待て。
 仕事の連絡こそ、緊張して読め」
と言われそうなことを思う。

 そんな風にわたわたしていると、横で父母が、ぷっと笑った。
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