狙われてますっ!
「ところで、その……お前は今まで、

 ……デートとか、したことあるのか?

 その、男といっしょに花火を見に行ったりとか」

 軽く咳払いしながら、求はそう訊いてみた。

 汐音とふたりで花火を見に行く最初の男が自分だといいなと思ったからだ。

 もちろん、最後の男も自分だと、なお、いいが――。

 すると、汐音は、
「いや~、全然、そういう相手居なかったので」
と言って、頭を掻いた。

 ホッとする求に汐音が言う。
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