竜王陛下のもふもふお世話係2~陛下の寵愛はとどまるところを知りません~
「クリップが弱いのかもしれないな。職人もウサギ獣人用の耳飾りを作るのは初めてだった故、加減がわからなかったのだろう」

 ジェラールはミレイナの耳飾りを少し上に付け直す。

「今日、戻ってきたら修理にだそう」
「はい。ありがとうございます。あと、こんなに可愛らしいワンピースも」

 ミレイナがお礼を言うと、ジェラールの青い瞳がまた優しく細まる。

「惚れた女を自分が贈ったもので着飾らせるのは、男の甲斐性だ」

(惚れた女……)

 何度も気持ちを伝えられてはいるけれど、改めて言われると恥ずかしくなってしまう。
 ミレイナはほんのりと頬を染める。

 こちらを見つめていたジェラールの秀麗な顔が近付き、ミレイナは無意識に目を閉じる。 頬に唇が押し当てられる感触がした。

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