片桐兄妹の言うことにゃ

千治は燐を見た。

「お前、頭良かったんだな」
「は?」
「それに気付くとは」

ぽんぽんと頭を撫でられ、燐はそれを払った。
気にせず千治は一台の自転車の鍵を回す。

「鮫貝冬馬は片桐藍の右腕だ」
「……え」
「でもお前はそれを知らなかった。冬馬もお前と話したことも無かった。どうしてか」

ガシャン、と自転車を出して鞄をカゴに投げ入れる。
燐はそれを見ていた。

どうしてか、考えていた。藍の腹心を知らなかった理由。その腹心と交流が無かった理由。

「あいつは何か隠してんだよ、お前に」

千治はサドルに跨り、緩く漕ぎ出した。

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