突然ですが、イケメンアイドルの妹になることになりました!①
「及川さん!あの、お話があります!」

「…ちょっと出てきますね。」


マネージャーに断りをいれて、及川さんは立ち上がった。


空いていた会議室に通され、パイプ椅子に腰をかけた。



「あの…これ、ご存知ですか?」


ひまりはカバンから例の脅迫文を取り出した。

及川さんが犯人だったら、何かしら反応があると踏んでカマをかけた。


「吉沢杏奈の秘密…?ライブ…中止…?」


その様子は初めて見るような反応だったが、逆にワナワナと震え始めた。


「君はさ…どこまでも木村君の足をひっぱるんだ…。」

「え…」


グイッ


及川さんは今までのが全く別人のような恐ろしい形相で
私の手を捻り上げた。


「は、離してください!」

「木村君にはさ、君なんか似合わないよ。」


ものすごい力で腕を掴まれ、視線から激しい敵意が向けられているのが分かる。


「さっきも他の男にも媚び売ってさ。木村君の気持ちを弄んで…」


他の男…
純大のことだ。


「木村君はさー、僕のものなんだ。分かるかな?だから消えてよ!」


あ、この人
杏奈さんじゃなくて有のことが…!


「ひまっ!」


バンッ!!


「有っ!」
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