突然ですが、イケメンアイドルの妹になることになりました!①
「…有。私、ちゃんと杏奈さんに見えるかな?」


勝手に部屋に入ってきた有は
ベッドに腰掛けると
ちょいちょいと、手招きした。


手を出すと、その手のひらに何かを握らされた。


手のひらを拡げるとコロンと小さなイヤリングだった。


「全部、杏奈にならなくてもいいよ。ひま。」


「かわいい…」


小粒なピンク色のゴールドの真ん中の石が
キラリと光った。

アクセサリーなんて初めて。


「つけてあげようか?」


有は慣れたように膝の上に抱き寄せると
そっと耳たぶに触れた。


「ちょ…///じ、自分でできるから。もう出てって。」


もう…
ほんと油断も隙もない…


鏡を見ながら
慣れない手つきで、イヤリングをつけた。


(かわいい…)


杏奈さんで囲まれた私の中に
耳元に一粒のイヤリングがキラリと輝いていた。
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