蜜溺愛婚 ~冷徹御曹司は努力家妻を溺愛せずにはいられない~
「いいえ、月菜さん。僕はあの時ほんの少しだけですが、こんな風に思ったんです……僕との約束を破った真澄さんが悪いんだ、と。」
今の柚瑠木さんからは想像出来ない言葉。ですがそれほどまでに真澄さんが発表会にを見に来てくれなかったことに、彼がショックを受けていたことも分かって……
小学生だった柚瑠木さんが、そんな事故に巻き込まれて正常な判断なんて出来るはずもないでしょう。それでも彼は、一瞬でもそんな風に考えてしまった自分を今も責めているのだと思います。
「柚瑠木さんの自分を責めてしまう気持ちは分かります、それでも!」
真澄さんは、柚瑠木さんがこんなに過去に縛られ毎晩魘されることを望んでいるでしょうか?きっとそんなことは無いはずです、ですが……
「……あの飲酒運転のバイクも、最初から僕を狙うように仕組まれていたのだとしたら?」
私の背中にゾクッと冷たい感触が走ります。それは柚瑠木さんが二階堂財閥の御曹司である以上、絶対にないとは言い切れない事なのです。知らない誰かに恨まれたり、彼の存在を目障りだと思う人もいるはず。
「それは、調べたのですか……?」
「子供の僕にはどうする事も出来ませんでしたが、大人になってから聖壱にも協力してもらいバイクの運転手について調べました。結果は、月菜さんの想像したので合っていると思います。」