絶対様
どうして電話にも出てくれないの?


焦燥感が胸に広がっていく。


早く美緒に連絡しなきゃ。


あの廃墟にいたら危ないって伝えなきゃ。


それなのに、伝わらない。


外から消防車のサイレンが聞こえてきたとき、あたしは知らない間にスマホを投げ出して震えていた。


きっと、なにもかもがバレてしまう。


火事の中から美緒の死体が出てくれば、全部全部バレてしまう……!


あたしは枕に顔を押し付けて、悲鳴を上げたのだった。
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