恋愛アレルギー
「愛美大丈夫?」


「うん……」


「なにあれ」


咲子は3人組を睨みつけている。


「実はね。服を買った帰り道でバッタリあの3人に会ったんだよね」


説明すると咲子は驚いた様子で目を見開いた。


「そうなの!?」


「うん。それでちょっと嫌味を言われたりしたんだけど、それからはなにもなかったから、大丈夫だと思って」


「どうしてそんな大事なことを言わないの?」


咲子は本気で怒っている。


「ごめんね。だけど本当に大丈夫だと思ったの。それに、その。デートのほうが大切だったし」


少しうつむいて言うと、咲子は呆れた表情に変化した。


そして笑う。


「そっか。そりゃそうだよね。でも、気をつけたほうがいいかもしれないよ?」


「うん。わかってる」


あたしは大きくうなづいたのだった。
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