恋愛アレルギー
☆☆☆

そして、その日の放課後。


みんなが教室から出て行く中、あたしはカバンを持って船見くんの机に近づいた。


「あ、あの」


「え、なに?」


「船見くん、今日ってなにか予定とかある?」


「特にないよ?」


その答えにひとまず安心した。


なにか予定があれば一緒に帰ることは叶わなくなるから。


「それじゃあの……一緒に帰らない?」


一気に言ってきつく目を閉じる。


船見くんがどんな顔をしているのか、見るのが怖かった。


「うん。いいよ」


その言葉に勢いよく目をあけた。


目の前の船見くんは笑顔だ。


その笑顔にホッと胸がなで降りていく。


やった!


心の中でガッツポーズを作って咲子へ視線を向ける。


咲子は声には出さずに「よかったね!」と、言ってくれた。


そして船見くんと一緒に教室を出るとき、あの3人組みがあたしを睨みつけていたけれど、あたしはそんなことにも気がつかないくらい、浮かれた気持ちになっていたのだった。

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