SNSストーカー
嫌な予感がして、あたしは後ずさりをした。


「ほ、本当に警察に通報するぞ!?」


「俺、考えてたんだよ。浮気者のなっちゃんに、どういった制裁を行おうかって」


男がゆっくりと近づいてくる。


あたしは裕也の手を握り締めた。


男は全く恐怖を感じていないように見える。


本当に警察に通報されても平気なんだろうか。


「そこで、決めたんだ」


男が何かを取り出した。


それは太陽の光に反射してなにか一瞬わからなかった。


「え……」


呟いたのは裕也だった。


握られている手がかすかに震えた。


「これで、そいつのことを刺してよ」


男は太陽に反射して輝いているソレを、あたしに手渡してきたのだ。


鋭利な刃物が自分の手の中で輝く。
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