SNSストーカー
「その男を刺せば、浮気したことはチャラにしてあげる。それに、友達も解放する」


「なに、言ってるの……?」


自分の声が怖いくらいに震えていた。


あたしは浮気なんてしていない。


そもそもこの男と付き合ってなんかいない。


それを勝手に思い込み、友達を拘束して、そしてナイフで突き刺せと命令しているのだ。


この男の感覚は狂ってる!!


咄嗟にナイフを地面に落としていた。


裕也を刺すなんてありえない。


こっちは2人いるし、早く逃げて警察へ!


そう思った時だった。


裕也が地面に落ちたナイフを拾い上げていたのだ。


そしてそれを握り締めて、男へ向かって走っていく。


男はそれを冷静に見つめていた。


「裕也!」


咄嗟に名前を読んでも裕也は止まらなかった。


そのままナイフを振り上げる。


しかし、男は寸前のところで身をかわし、隠し持っていたもう一本のナイフを取り出していた。


そして、それを眠ってる心の首に押し当てたのだ。
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