死にたがりな君と、恋をはじめる
……あぁ。レイと誠おばさんが重なる……。
まさか二人から同じことを言われるとは思わなくて内心絶句しつつ、
笑顔を浮かべた。
「あ、えと……のどが痛いだけだから大丈夫、風邪じゃないよ。
でも今日ははちみつパンにしようかな」
「そうだね、そうしたほうがいいよ。
じゃあ、おばさんがはちみつたっぷり塗ってあげるねっ!」
いや、自分で塗れるんだけど……。
と、言おうとしたけど、
るんるんるんっと楽しそうにトーストにはちみつを塗り始める誠おばさんを目にして、
思い直した。
……うん、誠おばさんが楽しそうなら、いいや。
誠おばさんにはちみつを塗ってもらったトーストを頬張る。
……あぁ、おいしい。
とろーっとはちみつがトーストの端からこぼれ落ちそうになるのを防ぎつつ、
食べ進める。
甘いはちみつがのどを通る。
トーストはこんがりとした黄金色で香ばしいし、朝から至福だぁ……。
あぁ、おいしいぃ……。
もぐもぐと口を動かしてほっこりしてしまう。
紅茶を啜ると、レイがふわ~と近づいてきた。
何の用かとそいつに目を向けると、レイは小首をかしげて言った。