イジメ返し―連鎖する復讐―
「……どう?気が済んだ?」
咲綾が手を止めた。
頭のてっぺんに不思議な感覚がする。
鏡を見なくても髪はほとんど刈り取られ残っている部分はごく一部だと分かった。
「まだまだだよ。あたしの苦しみはこんなもんじゃない」
「……っ」
ニヤニヤと笑う咲綾を殴りつけてやりたい。
たかがイジメぐらいでこんなことをするなんて信じられない。
一時期、目も当てられないぐらい憔悴しきっていたせいで精神的におかしくなっているんだろうか。
それとも……。
「咲綾先輩、準備ができました」
部屋に戻ってきたエマの手にはノートパソコンがある。
奥の部屋からズルズルと引っ張ってきた朽ち果てたテーブルの上にパソコンを乗せて何やら操作を始めた。
「今度はなに……?あたしに何を見せようとしてるの?」
「楽しみにしてて。きっと喜んでもらえるから」
「準備できました。かけますね」
パソコンを操作していたエマの言葉と同時に画面に映し出されたのは見覚えのある風景だった。
「これ……うちのリビング……?どうして。なんでうちが……」
リビング全体が映し出され、そこに両親が映っていた。
「お父さん……?お母さん……!!」
二人はカメラの存在に気付いていないのかこちらを向こうともしない。
すると、二人が何やら会話を始めた。