🩸狂い切ったヴァンパイア🩸
「も〜いい子にしない子には、お仕置きしないとね❤︎」

「へ、へっ……?」

その言葉とともに、ドレスのチャックをジーッと下ろす玲くん。

「ちょ、や、やめ、て……!?」

少し肩が出ると、首筋にガブッとかぶりつかれた。

「ぅっ……」

最初はチクッとした痛みが走ったけれど、次には頭がボーッとして、身体の奥底から、血が沸騰して、吸われていることがわかった。

ジュージューと音がしてくる。

「れい、く……」

力を振り絞って玲くんを見ると、綺麗なラピスラズリ色の瞳と灰色の髪とは異なっていて、真っ赤な瞳、漆黒の髪になっていた。

「っ……やめっ……」

「美味しい……おかしいおかしい、こんなに美味しいなんて……」

「玲くん……?」

なんだろう、おかしい、狂ってる。

「玲様、おやめください」

車を運転している、執事さんがそう言う。

「うっ……」

私の視界はぼやけ、意識が飛んだ。




「ん、ぅ……」

重たい瞼が上に上がっていき見えたのは、とっても綺麗な天井。

それも、結構な高さがある。

途端に起き上がって、周りを見ると、お姫様が寝るような、カーテン付きのベッドで私は寝ていたと言うことがわかった。

ガチャン。キィィィ。

きしむドアの音がして、現れたのは、とっても綺麗な、女神のような人。

玲くんと同じく、髪が白く、瞳は透明感がある透き通った水色をしている。

長い髪の毛がサラサラと揺れているし、白いドレスも着ている。

思わず口がポカンと開いていた。

「あら!あなたがひゆちゃん?」

「あっ……は、はい!」

綺麗な人の返事をしてベッドから出て、立ち上がる。

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