魔王に見初められて…

次の日、樹理が仕事終わりに外に出ると、克樹がいた。
｢え……？｣
｢約束通り、スゲー奴…紹介しに来た｣
｢え？あの…｣
｢乗れよ｣
克樹が車を指差した。

車に乗り込む、樹理。
あるマンションに連れていかれたのだ。
｢若、お疲れ様です｣
｢ん。電話で話した奴｣
と樹理を指差しながら、言った。

｢まぁまぁいい女じゃないすか？｣
｢んーそう？｣
｢ほんとにいいんすか？｣
｢うん、いいんじゃね？この俺に紹介してほしいって言ってきたんだし。
なぁ？｣
樹理を見て、問いかけるように言った。
｢え？あの…この人達は？｣
｢俺の部下｣
｢部下？
どう見ても、年上……｣
｢は？何？ダメなの？年上｣
｢いえ…｣
｢いいって！あと、頼むわ！
俺は帰る。結愛が待ってるし｣
克樹が部屋を出ていった。

｢お前、名前は？｣
｢樹理です｣
｢じゃあ、樹理。今日からお前は俺の召使いな｣
｢は？｣
｢だって、俺の彼女なんだろ？だから、召使いだ｣
｢私は、そんなつもりで来てません！｣
｢じゃあ、どうすんの？｣
｢帰ります｣
｢あーそう！帰れるの？一人で｣
｢は？｣
｢無理じゃね？帰るの｣

｢は？何言って……｣
そう言って、部屋のドアを開けると━━━━━━

たくさんの強面の男達がいた。

顔に切り傷や身体に刺青、指が無い者もいる。
とにかく見た目が恐ろしい人ばかりだ。
｢おい！この女…逃げようとしてんぞ！｣
｢は？殺られたいの？お前…！？
おい！そこの女ヤり放題みたいだぜ！｣

｢ちょっと！何なんですか？｣