狂ったのは?
「栄子さんの返事、すごく嬉しいです」

 そう言って私の頬を優しく撫でる。
 私の声が届いている? それなら助けてくれるかも‼︎
 そう喜んでいた時だった。
 ぽたりと何かが滴り落ちた。ううん、何が落ちたのかは瞼の動かない私はずっと見ていた。
 落ちたものはヨダレだった。しかもそれはハヤテさんの口元から垂れている。
 優しい笑みも爛々とした目とニンマリと上がった口角で私を見つめている。

< 91 / 94 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop