狂ったのは?
 息を短く吐き続けて取り乱す冬馬だが、だんだん目に光がなくなり乾いた笑いを口から漏らす。

「これだけ人骨があるんだ。今まで誰にもバレなかったってことだろ? やっぱりここに隠すのが1番だ」

 冬馬は震える手で人骨の一つを手に取り、それを地面に突き立てて再び地面を掘り出した。
 正気を失った冬馬は「これでいいんだ」と呟き、時々乾いた笑いを口にする。
 桜の枝が冬馬の呟きに応えるように揺れ、その度に花びらが散って人骨を隠すように積もっていく。

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