むすんで、ひらいて、恋をして

ふたりだけの秘密基地

屋上の塔屋のうえに登って、ごろんと横になる。



「へえ……こんな場所があるんだねえ」



「ひとりで昼寝したいときとか、よく来る」



「そっか、学校一のモテ男くんは女子に追いかけまわされて、ゆっくりお昼寝もできないんだ。モテる男も大変だね~」



ふざけて笑ったアリスから、顔をそらす。



「それ、今、笑えない」



アリスとは、そんな話したくない。



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