むすんで、ひらいて、恋をして
「なんかもー、ずっとこのままでいいのに……」



食事のあと、ソファのうえで膝をかかえながら、アリスが呟く。



「そういうわけにもいかないだろ」



「そうだよね、そのうち莉生には可愛い彼女ができるだろうし」



「彼女なんていらないし」



「そう? 私には莉生が可愛い彼女と一緒に歩いてる未来が想像できるよ。だって、莉生はすごく優しいから。きっといい彼氏になるよ」



「俺にはそんな未来は見えないし、マジでいらない」




隣にアリスがいなきゃ、意味がないんだよ。




アリスがいてくれたら、俺はそれでいい。




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