むすんで、ひらいて、恋をして
キミのココロ【莉生side ③】

大切なのは……

昼休み、どこかにふらりと出かけていた上谷が、教室にもどってきた。



そのまま固い表情で、俺の席にやってくる。



「莉生、ちょっといいか?」



「ん」



どこかピリッとした空気をただよわせる上谷と、人のいない非常階段に座り込む。



「どうしたんだよ。こんなとこで飯食うとか」



黙り込んでる上谷をちらっと見て、肩をすくめる。



とりあえず、腹減ったし。



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