7歳の侯爵夫人

9

王都に戻ってしばらくは、穏やかな日々が続いた。
オレリアンは騎士の任務に戻り毎日忙しくしているが、邸に帰れば可愛い妻が待っている。
時々夜通しの任務もあって戻れない日もあるが、戻れる日はいつも一緒に食事をとり、一緒に眠りについた。
仕事が休みの日は勉強を見てやったり、一緒に庭で遊ぶこともある。

そして時々、というかちょくちょく、コンスタンスの両親や兄が彼女に会いにやって来た。
3人はオレリアンとコンスタンスの睦まじい姿を見ては、安心して帰って行く。
最初はオレリアンを射殺すような目で見ていた兄エリアスも、最近ではだいぶ柔らかくなった、と、オレリアンは思う。

王太子の件は、当然両親とエリアスの耳にも入れた。
3人は憤慨し、
「例え不忠の罪を着せられようともコニーを側妃に上げたりはしない」
と言っていた。
特にエリアスは、
「コニーの一番可愛い時代を搾取しながら今度は妾だと⁈殿下と刺し違えてでも私が阻止してやる!」
と激怒していた。

「いや、差し違えるのは夫である私がやりますから」
とオレリアンが言っても、エリアスは
「コニーは私が守る!」
と息巻いて帰って行った。

ただ、王太子が何も言ってこない今はまだ、静観の構えである。
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